1.アルベドの基礎情報
2.アルベドの命ノ星座
3.原初の人間計画
4.アルベドは新月?
伏せ対策でときどき名詞を漢字ではなく平仮名で表記していますが、あたたかい目で見てください。
またキリスト教や錬金術について明るくないため、間違い等ありましたらご教授いただけると嬉しいです。

1.アルベドの基礎情報
アルベドという名前は、錬金術用語である「Albedo」から取られています。
これは錬金術における「白亜」を意味し、その語源は「白さ」を意味するラテン語です。
つまりアルベドのイメージカラーは白です。異論は認めません。
「白亜の申し子」という称号通り、アルベドはまさしく白亜を冠した男というわけです。
アルベドの突破ボイスに登場する「黒土」「白亜」「せっか」「黄金」はそれぞれ錬金術用語になっており、変化の段階を示しています。

このためだけにボイスを四段階にしたのか?と疑うほどオシャレ
またVer.4.5「巧みなる錬金経営」でも、この要素が使われていました。

黒化(Nigredo)
アルベドのセリフ通り、錬金術の語源です。
私たちが学校で習った化学(Chemistry)の前身は錬金術(Alchemy)です。一説ではこのAlはアラビア語の定冠詞であり、chemyはエジプト語のkhemが起源であるとしています。
khemeはエジプト語で黒き土地を指す言葉。不毛の土地が広がっていた古代エジプトにおいて、ナイル川がもたらす黒い土は豊穣の象徴でした。そこから転じて、万物が生まれる聖なる起源であると意味づけられるようになりました。また古代ギリシアでも、ヘシオドスの創世神話に登場する始原のカオス(混沌)は幽冥の世界であり、そこから生まれる暗黒のニュクス(夜)が光り輝く宇宙秩序の母だとされていました。黒は「原初」の象徴として畏敬を払われていたことになります。レインドットが「黒い宇宙」と表現されるアビスから、生命をテイワットに召喚していることと関係があるかもしれません。
多くの錬金術師は賢者の石を錬成するため、すべての錬金術材料を均一な黒い物質になるまで、徹底的に加工する必要があると考えました。
ver.1.2の配布武器・腐植の剣は黒土モチーフとなっています。
白化(Albedo)
前述の通り、白さを意味するラテン語「Albedo」が由来です。
均一化された黒土から不純物を浄化し、受容性を取り戻す工程。再結晶や啓発なども意味します。
ver.2.3の配布武器・シナバースピンドルは白亜モチーフとなっています。
シナバースピンドルといえば呪われた…もとい、幻の武器として有名ですよね。何を隠そう、私も持っていません![]()
シナバースピンドルの本国表記は「辰砂之纺锤」。
辰砂とは水銀から成る鉱物で、その別名は賢者の石。さらに辰砂を意味する英単語シナバー(Cinnabar)は、かつてラテン語、英語などで竜血を示す単語でもありました。錬金術師であり、龍を兄に持つアルベドとは実に縁が深いですね。

武器ストーリーは完全にレインドットからアルベドに向けたメッセージになっています。
アルベドにとって、性能◎・見た目◎・設定◎・ストーリー◎の文句のつけ所がない最高の武器ですね。
今すぐ復刻しろホヨバース![]()

水銀については、Ver.4.5「巧みなる錬金経営」にて配布された武器の精錬アイテムでも触れられています。
「乾燥して粉塵に化したもの」は、皆さんおなじみのこれでしょう。

変転の塵は元素物質を変換させるためのアイテムですが、後半の記述は「再結晶」の段階である白亜・アルベドにも言えますよね。暴走フラグも抱えていますし。
せっか(Rubedo)
神人同一。有限と無限の合一を意味します。
黄化(Ciritrinitas)
変容、完成を表します。
勘のいい方はお気づきになられたかもしれません。ここまで紹介しましたが、実は史実では順序が異なり、黒化→白化→黄化→せっかとなっています。赤こそが賢者の石の象徴。
後に黄化はせっかに組み込まれてしまい、黒化→白化→せっか の流れが主流となっています。
この差異は長らく疑問でしたが、水仙十字結社シリーズ任務にて回収されました。

黒と白についてどう捉えていたかも教えて!
つまりレインドットを始めとするカーンルイアの錬金術はテイワットにおいて異端であり、学術的価値を求めるのではなく、利巧を得るためにその道を追求していたと推測できます。
ルネはカーンルイアの錬金術を否定していましたが、結局彼らは大きく失敗し、レインドットは数多の置き土産成果を残しているのがなんとも…。
ジェイコブもルネを復活させるために見様見真似でレインの錬金術を利用した結果、色々と不完全になってしまいましたし。
現在のテイワットでは錬金術は殆ど権威を失ったちょっとした学問に過ぎませんでした。しかし、教令院すら凌ぐ知識を持つアルベドがモンド城に現れたことでその認識が一変したことを踏まえても、やはりカーンルイアの錬金術はテイワットの錬金術よりも優れているのではないでしょうか。
またこれら文献から、カーンルイアの深秘院には錬金術を究める組織が存在していたことが分かります。ただ深秘院が、ここで記されている「秘密結社」だと断定することはできません。クレーの母でありレインドットの友人でもあるアリスが、魔女会について「秘密結社みたいよね」と述べていることや、ジェイコブ(資料の書き手)がレインドットを魔女会コード「R」として認識しているからです。

深秘院は星空の観測?も行っていたようなので、錬金術、占星術、魔術などの神秘学全般についてを扱う機関だったのかなと。
ちなみにアルベドの祈願バナー名は「深秘の生息」。

恐らくもう二度と拝むことはできないであろうガチャバナー。
そのほか、螺旋関連のテキストでも「深秘」は登場します。

「深秘」には一体どんな意味が隠されているのでしょうか![]()
なお、英語版で「深秘の生息」は「Secretum Secretorum」と訳されており、錬金術にも影響を与えたアリストテレスが弟子のために書いた論文「秘中の秘」を示します。ミステリアスな学者であるアルベドというキャラクター像を綺麗に表現したセンスのいい意訳ですね。(なお深秘院は「the Universitas Magistrorum」と英訳されているため、肝心のこちらが繋がらなくなってしまいましたが……)
本国版はシンプルに「深秘之息」。
原神公式ラジオによると、深秘は「じんぴ」と読むそうです。
少し話は変わりますが、この世界は土・水・火・風の四元素によって構成されるとする説があります。上で挙げたアリストテレスは、この四元素は熱・冷、湿・乾という相反する現象の組み合わせによって成り立つと考えました。
錬金術にも多大な影響を与えたこの思想は、もちろん原神にも取り入れられています。

元素的に魔女会と関連する![]()
![]()
あたりの顔ぶれが浮かんでしまうのがとんでもなく意味深。
さらにはそんな彼らが集うモンドを統べる風神…![]()
合成台といえば、3Dモデルにおけるアルベドの瞳の虹彩は、合成台の模様に似ています。

錬金術によって創造されたアルベドに相応しいデザインですね。

2.アルベドの命ノ星座

完凸することで首元に光が灯されるのが美しい
アルベドの命ノ星座は「白亜の申し子座」ということになっています。
しかし私は本来の名称は別であると考えています。
偉大なる占星術師モナはボイスにて、基本的にそのキャラクターの命ノ星座について語っています。

ですがなぜかアルベドに対してのみ、一切の言及がありません。

レインドットの頭もまともではないと思う
ちなみにモナが星座を確認できない場合はこうなります。

アルベドの命ノ星座が見えない、または刻まれていないという訳ではないようです。
そのためモナはアルベドの運命を知った上で敢えて言及を避けている、あるいはアルベドの正体を知っているがゆえに配慮して詳細を覗いていないということになります。
なんだかんだで優しいモナさん、好き![]()
ところで、日本語で「ホムンクルスの天智」というめちゃめちゃに直球な名称になっている固有天賦は、本国版ではこのようになっています。

「瓶中人」って、アルベドの命ノ星座にぴったりな表現だと思いませんか?
ということで私はアルベドの命ノ星座は、「ホムンクルス座」または「瓶中の人座」が正式名称だと考えています。あるいは伝説任務が「白亜の章」となっているため、「白亜座」の可能性もあります。
さらにアルベドの命ノ星座は人間の形を模している、テイワットにおいてごく稀な星座であることも知られています。
アルベド以外で人型の命ノ星座を持つキャラクターは、Ver.5.4現在、七神、旅人、放浪者のみ。



そもそも命ノ星座とは本来、神の目を持つ者にしか現れません。ではなぜ神の目を持たない七神が命ノ星座を有しているのでしょうか![]()


七神は俗世の七執政です。
天理からその座を与えられし七国の守護者である彼らは、まさしく「世界の「運命」に己を売り渡した」と言えるのではないでしょうか。
そもそも七神はテイワットを舞台にした物語において欠かせない存在。そんな彼らの運命を星空に刻まないわけにはいきません。天空の人々が見守る幻想大陸の物語において、七神は非常に重要な役割を担っています。だからこそ彼らは彼ら自身を写した命ノ星座を有しているのでしょう。
旅人が命ノ星座を有している理由については正直謎としか言えません。なんで?
一方で放浪者が人型の星座を持つのは、雷神の器として創造されたから、ということで説明がつきます。正面を向いて座す周りを、スキルで生成した輪を沿うように星と星とが結び付けられている図がそっくりですから。つまり放浪者の浪客座のモチーフは雷神ということです。
アルベドは放浪者と境遇が似ており原初の人間の器として創造されましたが、彼の星座に描かれているのは瓶の中で眠る胎児です。我々プレイヤーはまだ原初の人間の姿を知りませんが、放浪者のように別人がモチーフとなっているわけではなく、ここで描かれている胎児はアルベド自身だと断言できます。詳細は次項で解説します![]()

なんだか既にきな臭くなっておりますが、まだまだ終わりません。
ここからはアルベドの命ノ星座について紐解いていきます。
まず3凸「太陽の華」は、錬金術と関連しています。
レインドットの錬金術は黄金の創造を目的としており、黄金は太陽と結び付けられることが多々あります。
スキル天賦にもこのようなフレーバーテキストが書かれています。

黒土から始まり、黄金を目指す彼らの錬金術をよく表現したテキストですね。
2凸「顕生の宇宙」は、元素爆発のボイス「冥王、顕生へ」に関連しており、地質学の時代区分に繋がっています。
冥王代というのは、原始に生まれた簡易的な生命のみが存在していた時代のことです。そこから太古代、原生代を経て、顕生代になると、肉眼で観測できる生命が誕生していきました。
つまり「無から有へ」といったニュアンスになっています。
他方で、素直に「宇宙の誕生」と捉えることもできます。
これはテイワットの星空は偽物だということを踏まえているかもしれません![]()
アルベドは実戦紹介PVで「宇宙──星空の暗き本質」と瞑想しており、ある程度その秘密を理解している可能性があります。
そして5凸「太古の潮」は2凸とセットになっています。
本国版で「冥古之潮」。冥古は和訳すると冥王代になります。そうです、アルベドの元素爆発ボイス「冥王、顕生へ」です。
5凸は元素爆発の天賦レベルが上がる星座です。そしてアルベドの元素爆発天賦名は「誕生式・大地の潮」。
つまり「冥王」は大地に、「顕生」は宇宙に繋がっていることになります。
これは「宇宙と地層」をテーマにする彼らの錬金術にリンクしているのでしょう。
また聖遺物「花海甘露の光」では、幾度も漆黒の災厄を「潮」と表現しています。

漆黒の災厄の際に人間を襲った主な魔物は、レインドットが創造した獣域ウルブズたちです。
潮という表現はこの繋がりを意識している…のかもしれません。
残る1凸・4凸・6凸は創世記をイメージしたものになっています。アルベドといえば錬金術のイメージが強いですが、実は創世記のアダムにもインスパイアされているのです。
1凸「エデンの花」について。
エデン(Eden)とは、一般的に旧約聖書における楽園を意味します。人類の始祖であるアダムとイヴが生活していた園のことです。
ver.3.5「風花の吐息」にて、レインドットは「存在しない花」という署名を用いました。なぜなら、この世に存在しない種を生み出せる人物は彼女しかいないからです。つまりこの署名自体は彼女を示すものですが、「存在しない花」とは本来、アルベドをはじめとするレインドットの創造たちのことです。

こちらのスクロースと旅人の推測は、奇しくもかなり的を射ていました。
性能面も含め、アルベドは花に縁があるキャラクターだと言えますね![]()
4凸「聖なる堕落」に関しては少し複雑です。
創世記における堕落とは、蛇に唆されたアダムとイヴが、きんだんの果実を口にしてしまい、楽園を追放されたことを意味します。そのせいでわれわれは死から逃れることができない原罪を背負っている、というのがキリスト教の考え方です。
しかし原文の「神性之陨」は直訳すると「神性の滅び」になります。かなりニュアンスが異なりますよね。
神性とは、神格のことであり、神そのものとも言えます。では神とは一体何か?
キリスト教における神──すなわち主は、世界の創造主です。創世記は神が天と地を創造した場面から始まります。主は光を、時間を、陸を、海を、植物を、生き物を、人を、要するにこの世の全てを創造しました。
アルベドのキャラクター像も加見し、ここでは「神性」を「生命の創造」とします。
そこで「神性の滅び」の解釈について、私は二つの説を考えました。
まず一つ目は、創造する権利や力を失った、あるいは創造する気概を失った状態ではないか?ということ。
ver.2.3「白雪に潜みし影」にて、まさしくこのようなアルベドの台詞があります。
「大地に足を踏み入れる生命の一つとして、運命の掌握を渇望し、創造を渇望する我々は、一体どれほど傲慢なのだろう」
「創造とは傲慢な行いなのだろうか?」
「もし違うなら、ボクたちはなぜ、ボクたちを支配し創造するものを『神』と呼ぶのだろう?」
「もし違っていないなら、ボクたちは一体何の資格があって『創造者』などと主張するのか」
約500年間レインドットと2人きりで生活を送っていたアルベドですが、モンドで社会生活を送ることで、欠けていた道徳心や倫理観をどんどん獲得しています。
いたずらに生命を生み出すサイコな姿も、今ではすっかり鳴りを潜めてしまいました。
それどころか、人助けに錬金術を用いることに喜びを感じるようになっています。
生命の創造に懐疑心を抱いた彼が今後どこへ向かっていくのか。注目していきたいですね![]()
二つ目は、天理にのみ許されていた生命の創造を俗世の人間が行ったことで、その唯一性が薄れた、あるいは天理の怒りに触れてしまったということ。

フォンテーヌでは俗世の七執政であるエゲリアが純水精霊を人間に変えてしまったために、滅びの予言を受けることになりました。
天理がカーンルイアを滅ぼした明確な理由はまだ不透明ですが、その災いがレインドットの創造物がテイワットに解き放たれた原因となったことから、何かしら関係している可能性は十分にあります。
ちなみに英語版は「Descent of Divinty」、直訳で「神性の降臨」となっています。
降臨といえば降臨者を思い浮かべる方が多いと思われますが、降臨者はまさしく「Descender」と英訳されており、関連性が疑われます。
そして最後、6凸「無垢なる土」について。
創世記において、神は土の塵から最初の人間であるアダムを創造しました。
アルベドの戦闘不能ボイスの元ネタでもある「土は土に、灰は灰に、塵は塵に」というフレーズが有名ですよね。土から生まれたのだから土に還るべきだという意味。そのためキリスト教圏では火葬ではなく土葬で死者を弔うのが一般的です。
黒土から生まれた白亜であるアルベドは、無垢なる土そのもの。
無垢なる土といえば、ゲーム内外でしばしば登場する「無垢なる土から原初の人間を創造する」というフレーズが印象的ですよね。
「…え?アルベドから原初の人間を創造する?」と疑問に思われた方。
その通りです。![]()
実戦紹介PVでは「黒土、錬金術の語源、命の源なり」「白亜、無垢なる土から原初の人間を創造する──」となっているので、「アルベド"が"無垢なる土から原初の人間を創造する」と解釈してしまいがちです。
ですが、キャラクターストーリー5に答えが記されています。

「白亜は無垢なる土であり、原始の人々の材料である」
この衝撃的な一文を原文に直すと、「白垩是无垢之土,也是原初之人的质料」となります。
実戦紹介PVでのフレーズ、「白亜、無垢なる土から原初の人間を創造する」は「白垩,是无垢之土,也是原初之人的质料」です。一致しますね。
不穏な空気が漂ってきたところで、次項では原初の人間計画について考察していきます![]()

3.原初の人間計画
ver.2.3「白雪に潜みし影」にて、アルベドは2号を「原初の人間計画の失敗者」と呼びました。
つまり、アルベドや2号の創造は原初の人間計画の一環だったということ。ですが前述の通り、アルベドは原初の人間そのものではありません。
アルベドを素体に原初の人間を生み出す、あるいはアルベド自身を原初の人間へと進化させる過程こそが「原初の人間計画」なのでしょう。
では、レインドットが創造しようとしている「原初の人間」とは一体何なのか。
その正体を考える上でカギを握るのがこの資料です。

曰く、降臨者=世界の外から来た存在、ではない。
少なくともこのノートの書き手であるルネは、降臨者とは後天的になることができる概念だと考えているようです。
なお、「如何にして世界を守り、世界を維持し、世界を滅ぼし、世界を創る強い意志」をアルベドが持ち合わせているとは思えません。西風騎士団の**錬金術師兼調査小隊隊長として錬金術の発展やモンドの国防に大きく貢献していますが、アルベド本人は今の平穏な暮らしに頗る満足しており、世界をどうこうする……という野望は一切持っていません。

一応ちょっと怪しい発言はありますが、これは自身の行為を顧みるというよりも、この世界のものではない数多の命を創造し、テイワットに多大な影響を与え続けているレインドットに対しての感想でしょう。

(2026/05/21 追記)
背理で完全に「命と世界を育む側」としての自認が生まれたので、もう完全にそういうことですよね。本当にありがとうございました。

追記おわり

またノートには「自我を捨て、深淵に落ちるということ。そして深淵の中で、聖なる幼児の状態で新生を迎える」とあります。
ここでは「幼児」と記されていますが、原文では「婴」、英訳は「infant」となっており、「乳児」の方がニュアンスが近いです。
さて、アルベドの命ノ星座を思い出してみてください![]()

お分かりいただけただろうか……。
またレインドットの創造物は基本的に深淵に由来します。
(黒い宇宙=暗い宇宙=深淵=アビス)



深淵に眠っていた魂がレインドットに呼び覚まされ、原初の人間もとい降臨者の器に収まった。
そして彼は創造主の期待と願いと野望を背負い、アルベドと名付けられた。
ただここまで述べてきた通り、彼の魂が本当に原初の人間そのものであるとは考えにくいです。
原初の人間計画とは、無垢なる土であるアルベドから原初の人間を創造するというもの。再三ではありますがアルベドはあくまでも器でしかないのです。
ところで、皆さんは聖骸獣をご存知ですか?あのやたらとモーションが強い害獣たちです。
螺旋12層でヤツらに苦しめられた方も多いでしょう……![]()

彼らは「偉大なる生命体」を蝕むことで、あのような強力な力を手に入れました。
スメールの砂漠に生息しているイメージが強いですが、魔神オロバシの亡骸の付近や、レインドットに創造されたエリナスの亡骸付近でも姿を確認することができます。
聖骸獣のように、レインドットは自らの創造物に「偉大なる生命体」を取り込ませていたのではないでしょうか。
ver.2.3「白雪に潜みし影」を思い返してみてください。
アルベドの推測では、原初の人間計画の失敗作である「2号」はドゥリンの腹の中で長い間眠りについていました。2号はドゥリンが持つ異常な生命力──つまり、「偉大なる力」を吸収することで蘇り、数百年の時を経て目覚めたのでしょう。
失敗作がドゥリンの腹の中にいたということは、ドゥリンに補食されたということになります。
いやいや、さっき私のかわいい子供たちって言ってたじゃん!
という感じですが、あの女ならやりかねません。
レインドットが自らの創造物をかなりぞんざいに扱っていたことは、黄金王獣のエピソードからも窺えます。

よって、レインドットが餌として失敗作をドゥリンに与えたと想像するのは難しくありません。
レインドットの教育方針は厳しいものです。卓越した知能を持つアルベドが必死に食らいついていったからこそ生き残ることができたのであって、普通の個体であれば彼女の望むレベルに達するのは困難を極めるでしょう。

そのため失敗作は、ドゥリンの贄にされてしまいました。
ドゥリンはアルベドと並ぶレインドットの「二大奇跡」です。よって原初の人間計画によって生み出された「偉大なる生命体」を取り込んでも生き残ることができると判断されたのでしょう。
しかし結果から見れば、「偉大なる力」を取り込んだのは、補食された失敗作だったということになります。
というか、冬忍びの樹やドラゴンスパイン全般の魔物たちがドゥリンの生命体によって強化されているため、あの土地自体がドゥリンの「偉大なる力」を取り込んでいます。
またドゥリンの心臓はエリナスのそれと異なり、晶化せずに未だ鼓動を続けています。
今後ドラゴンスパインで何が起こってしまうのでしょうか…![]()

復活の日はそう遠くないはず
ですが実際は全てレインドットの目論見通りで、結果的に2号がドゥリンを取り込んだことも、ドゥリンが持つ「偉大なる力」を土壌に蓄えさせることも、全て彼女の実験だった──というオチもあり得るのが恐ろしいですね。
2号がドゥリンを呑み込んだ──この話って、アルベドが原初の人間の器であることに絡んでくると思いませんか?
レインドットがドゥリン、あるいは2号に「偉大なる生命体」を蝕ませたとするなら、同じことをアルベドに強要してもおかしくないですよね?
ただの器でしかなかったアルベドが原初の人間の魂を取り込み、真の降臨者へと進化を遂げることで、原初の人間計画は完遂する。

「偉大なる生命体」を取り込んだものは、抑制できない殺戮欲求に駆られます。
これこそがアルベド自身が危惧する暴走なのではないでしょうか。

アルベドの才を疑う者はいない。
だが彼の持つ知識の源は、かつて繁栄を誇った国を破滅へと導いたものだ。
白亜の申し子たる彼は、大冒険者アリスの推薦により騎士団に入ったが、それ以外は謎に包まれている。ゆえに、その知の本質を知る者はいない。
だが、俺は知っている──「黒土の術」だ。
「黒土と白亜、宇宙と地層、無垢なる土から原初の人間を創造する」……俺の読みが正しかった。
傍観者たる俺も、アルベドに異変が起きた時は──動かざるを得ないだろう。
(アルベド チュートリアル動画より)
話は少し逸れますが、水仙十字結社関連任務にて登場するキャタピラーというキャラクターがいます。
彼は平凡なヒルチャールでしたが、ジェイコブによってカーター(やその他色々なもの)を植え付けられ、理性を手に入れることになりました。そしてこれはほかでもない、レインドットの錬金術を転用したもの。
現時点でもアルベドとキャタピラーは
・髪や瞳のカラーリングが似ている
・「ボク」「キミ」、創造主に対しては「あなた」という一人称・二人称が完全に一致
・血の繋がらない女の子を妹のように目にかけている
・明晰な頭脳を用いて、旅人らを引っ張っていくリーダー的存在として描写される
など、アルベドと類似する点は多いです。
もし本当にアルベドの体に原初の人間の魂が植えつけられることになったとしたら……。この二人の関連性は偶然ではないということになりますね。


4.アルベドは新月?
ここまで読んでいただいた方には、アルベドが錬金術や創世記をモチーフに設計されたキャラクターであることは伝わったかと思います。ですがずっと謎だったテキストがありました。
それが「新月の星芒」

テイワットの月には満ち欠けがありません。そもそも新月も満月も存在しないのです。
それなのに新月が用いられているのは、アルベドの命がテイワットの外に由来するからでしょうか。あるいは文字通りの「新しい月」を示しているのでしょうか。
月に関連するキャラクターといえば、アルレッキーノが思い浮かびますね。
彼女の素性については本人すら知り得ない部分もありますが、カーンルイアの赤月王朝と関係があることは確かです。
アルレッキーノは「凶月」と呼ばれており、さらに衣装名は「月光」です。
また赤月王朝は錬金術によって栄えた王朝であり、ウルブズらしき人工生命体が存在していました。


このように、レインドットが赤月王朝代の人物である可能性は非常に高いです。
一応ダインスレイヴが「五大罪人は全員ダインと同世代」という旨の発言をしていますが、後続となる黒日王朝の具体的な存続年数が不明なので、王朝が興されてから数年程度で滅亡した可能性があります。また、原神の「同世代」はあまり信用できません。(ex.アルベドの「スクロースについて・こだわり」)
レインドットが赤月王朝の関係者であるなら、彼女の弟子であるアルベドも一応はその意思を継ぐ者ということになります。
なので「新月の星芒」とある理由は、赤「月」王朝に縁のあるアルレッキーノと同じ、「月」というワードに意味があるからなのかな…と、はじめは思いました。
しかし。
しかし、重要なことに気が付きます。

「新月」とは……もしかしたら途轍もなく重要なキーワードなのではないかと。
しかし中国語原文ではアルベドの衣装名は「朔」と表記されており、webイベントで明確にキーワードとして提示された「新月」とは一致しません
意味は同じなのですが……。
ちなみにこの英訳は「永遠」に守られなくなった世界は息絶えようとしている。しかし灰の中から「新月」が昇り、運命の歯車が動き出す──という趣旨の内容になっており、「灰(ashes)」という表現はアルベドやアルレッキーノを彷彿とさせます。

特にアルベドは前述した通り、「灰は灰に、塵は塵に(Ashes to ashes, dust to dust)」という戦闘不能ボイスまで存在しています。この意訳にはどのような意図があるのか……。
意味深な英訳は一先ずとして。アルベドが件の「新月」ではないとするなら、彼に「新月の星芒」が与えられたのは何故でしょうか。
中国語でも日本語でも、「星芒」は星の光を意味するそうです。つまりアルベドの衣装は新月の光。ですが月は自ら光る恒星ではなく、地球の衛星であることは皆さんご存知でしょう。月が光っているように見えるのは、太陽の光を反射しているためです。
そもそも新月とは、地球から月を見た際に、月と太陽が同じ方向にある状態を指します。この時に太陽光が照らすのは地球から見て月の裏側になるため、我々には影しか見えません。また新月は朝太陽と共に昇り、夕方に沈みます。一応新月は日食のトリガーとなりますが、主体は月ではなく、月の隙間から漏れ出るように見える太陽の光なので、日食による光を新月の光と呼ぶべきではない気がします。(専門家ではないので細かいニュアンスはわかりかねます)
つまり新月に光はありません。また新月は太陽を追いかけている(ように見える)月です。
腐植の剣にある通り、アルベドは本来「誕生することを許されない生命」です。人間の道徳を逸脱した錬金術によってその命と体を与えられたアルベドに、太陽の光なしには輝くことのできない月を与えられたのはとてもしっくりきました。
しかし普通の月ではなくわざわざ新月を置いたことにはもっと深い理由があるはずです。まだ上手く纏めることができていませんが、まず一つ思うのは、螺旋との繋がりです。

螺旋ではシーズン毎に「〇〇の月」という祝福を授かります。そしてその祝福を挑戦者に与えているのは「淵月」です。
「深秘」といい、アルベドと螺旋にはレインドットを介して何かしらの縁がありそうなので、ありえない話ではないかなと思います。
ちなみに11層では月が挑戦者を見守ってくれるのですが、12層に到達するといなくなってしまいます。


うーん、謎!
そしてもう一つは、テイワットではない異世界の月を示しているということです。

アリス、バーベロス、アンデシュドッテルの三人で作った「幻想シアター」に所蔵されている「小さな魔女と消えない炎」の第2巻にて、このような記述があります。(恐らく執筆者はバーベロス)
外の世界の話ならば、テイワットと差別化するためにわざわざ「新月」と指定したことに合点がいきます。ただ「星芒」の部分は依然としてよく分からない。
他に考えられるとすれば、原初の人間が月だからアルベドは新しい月……みたいなところですかね。
アルベドと月について考えたところで、見ていただきたいのがこれ。

日食は黒日の誤訳
「白亜が黄金に惹かれ」って……何!?
先程も紹介しましたが、錬金術において、太陽は黄金を意味するものでもあります。

スキル天賦にもあるように、アルベドが召喚する花はその名の通り疑似的な太陽です。
ですが錬金術が太陽=黄金の創造を目指す学問であるならば、最終目標である原初の人間の礎になるまでの過程に過ぎないアルベド本人も「擬似陽華」と呼べるのではないでしょうか。
また原神のみならず一般的にも太陽は金、月は白にたとえられることが多いです。
太陽である「黄金」レインドットに月である「白亜」アルベドが惹かれる。
ヴェズルフェルニル「運命を覗く者」が語るこの言葉の真意は一体……![]()
そして「赤月のシルエット」にも少し気になるテキストがあります。

こじつけめいていますが、私はこのフレーズに結構アルベドを感じるんですよね。
レインドットが赤月王朝の人間である可能性が高いという話は既にしました。彼女が掲げる原初の人間計画には、赤月の悲願が託されているかもしれません。原初の人間、つまり降臨者を人の手で生み出すという行為は、間違いなく天理の怒りを買います。それは旧世界(カーンルイア&テイワット?)を焼き尽くしてしまう規模であってもおかしくありません。
無垢なる朝が訪れる時には、きっと疑似ではなく、正真正銘本物の太陽が昇るのでしょう……。

また「冬極の白星」はこんなフレーズで締めくくられており、赤月王朝の生き残りとファデュイが目指すものが、完全に一致していることが分かります。
極めつけは前述したこのノート。

出典は『アヤックス』という悲劇のようです。
アヤックスといえば、タルタリヤの本名として知られています。父親が憧れの英雄物語にちなんで名付けたのが由来です。タルタリヤとは特に関係がありません。
ですが名前が同じだけだから、と軽視することはできません![]()

名前を与えられた時点で、その運命に縛られることになるのです。
実際にタルタリヤは運命を捻じ曲げられており、さらに14歳で深淵に「気付かれ」ています。

また、ファトゥス第五位のプルチネッラがタルタリヤの家族の面倒を見ていることが判明しています。

その真意について解釈に差異はありますが、少なくともタルタリヤを引き入れた張本人であるプルチネッラが、彼を絶対に手放したくないと考えていることは確かでしょう。
タルタリヤは腕が立つ執行官ですが、それでも末席の11位です。実力のみで考えるのであれば、8位のシニョーラや1位のカピターノを失った方がよっぽど損失が大きいはず。
ファデュイがタルタリヤを引き入れた理由は、いずれ彼を原初の人間として利用するためなのかもしれません![]()

